オフィシャルレポート

REPORT
オフィシャルレポート 2025 vol.3
夏休みイベント
「JHD&C出前授業 in 東京2025 ~ヘアドネーションとウィッグを知ろう~ 」
夏休みイベント
JHD&C出前授業 in 東京2025
~ヘアドネーションとウィッグを知ろう~
2025年8月23日(土)東京にて、夏休みイベント「JHD&C出前授業 in 東京2025 ~ヘアドネーションとウィッグを知ろう~ 」を開催しました。

午前の部・午後の部合わせて145名の方にご参加いただいた今回のセミナー。ご家族、ご友人と参加された方も多くいらっしゃいましたが、お一人のご参加も同様に多くおられました。宮城県や長野県、大阪府からお越しくださった方も。
開演前からロビーのパネル展示やブースにはたくさんの参加者が来場し、さっそくブース体験に取り組まれる方もおられ、会場は早くも賑わっていました。

ミルボン東京本社のホールを会場にお借りして開催しました
開演
JHD&C代表の渡辺からご来場の皆さんへのご挨拶を合図に、いよいよJHD&C出前授業の開始です。
「2019年まで3年連続で行っていたイベントを、今回6年ぶりに行うことができました。
その間も多くの方に応援していただいたおかげで、活動を続けることができました。
今日は、HPや報道ではなかなか知られていないことをお話しできたらと思っています」

JHD&C代表 渡辺
今回のJHD&C出前授業にご協力いただいた各社をご紹介します。
日頃からJHD&Cのヘアドネーション、医療用ウィッグ無償提供プログラム活動等にご協力くださっている企業の皆さま。企画から一緒に練り上げ、準備を整えて迎えました。
- 株式会社アデランス
- 花王株式会社
- 株式会社資生堂 ビューティークリエイションセンター
- 株式会社ミルボン
(あいうえお順)
ウィッグ試着体験
2時間にわたる出前授業の最初の学びと体験は、希望者を募って行う「ウィッグ試着体験」です。
赤や青、イエローなどの鮮やかなカラーが施されたウィッグ、ウェーブのかかったロングヘアのウィッグ、プラチナシルバーのウィッグ。見ているだけでワクワクするような、素敵なウィッグがずらりと並びます。
その中から、好みのウィッグを自分で選んで試着。
ウィッグの扱いに慣れたスタッフが見守る中、楽しんで試着する姿が印象的でした。
「今から約1時間、可能な限りウィッグをつけたままイベントに参加してみてください」
渡辺から皆さんにお願いをして、次のプログラムに進みます。
アデランスさんが用意した40個ものウィッグで、思い思いに試着を楽しみました
青色の矢印をタップして写真をスライドしてね!
トークパート①JHD&Cの活動について
JHD&Cの活動内容について、スライドを使ってご紹介しました。
- ヘアドネーション活動を始めた理由
- JHD&Cに寄せられるヘアドネーションの数と、その年齢別の内訳や近年の特徴
- ヘアドネーションがウィッグに生まれ変わるまでの長い道のりについて
毛髪の「トリートメント処理」についても詳しく解説しました。
1つのウィッグを作るためには、少なくとも30~50人分の髪の毛が必要です。
ドナーの皆さんからの寄付によって集まる髪の毛は年齢も、性別も、生活環境も異なり多様で個性豊かです。これら数十人分の髪を1つのウィッグとして自然になじませるために、髪質や髪色を均一にする必要があります。
JHD&Cの無償提供ウィッグは、集団生活を送るお子さんを対象にしていることからもナチュラルな黒髪のウィッグを製作しています。
そのためにキューティクルのごく表層を薬品で溶かし、自然な黒髪に仕上げることをトリートメント処理といいます。
海外の提携工場でトリートメント処理を終えた毛束は長さ別に丁寧に束ねられた後、JHD&C事務局でウィッグ製作のための準備段階に進みます。
データと写真を示しながらお伝えする専門的な内容に、メモをとりながら熱心に聞き入る参加者もいらっしゃいました。
JHD&Cのデータや活動内容をスライドで紹介
青色の矢印をタップして写真をスライドしてね!
トークパート②ウィッグ植毛について
皆さんはどのようにウィッグが作られるかご存じでしょうか?
JHD&Cの無償提供ウィッグ「Onewig」は、ひとつひとつ職人の手によって製作されています。
寄付された髪の毛がウィッグに植え付けられていく様子はJHD&CのHPと公式YouTubeアカウントでも公開しています。
下記にリンクをご案内します。
この製作工程について、アデランスで実際に毛植えに携わる技術者をゲストにお迎えして詳しく伺いました。
ゲスト
株式会社アデランス
- 商品研究開発部 部長 川﨑むつみ氏
ウィッグを作るには、さまざまな製法があります。
JHD&Cの無償提供ウィッグ「Onewig」はJIS規格に準拠した医療用ウィッグです。
長年のパートナーであるアデランスの確かな技術により、肌触りや耐久性などにこだわってハンドメイドの総手植えで製作しています。
川﨑さんは、日本国内でも数少ない植毛技術者の1人です。
JHD&Cの「Onewig」はタイにあるアデランスの工場で作られています。川﨑さんによると、日本国内では少なくなった技術者もタイには500名ほど在籍しており、分業制でウィッグを製作しています。
まず、伸縮性のあるメッシュ状の生地を用いて水泳キャップのような「ベースネット」を製作し、そのベースネットに1本1本毛髪を植え付けていきます。
細かい編み目のどこに、何本の毛を植え付けるか緻密な指定があり、細いかぎ針のような器具を使って指定通りに1人の職人がつきっきりで、1週間以上かけて手作業で植毛を行います。
皆さんがJHD&Cに託してくださった髪の毛は、現地の職人さんの確かな技術でウィッグになり、子どもたちの日常生活をサポートしています。
参加者からこんなご質問も。
「人間の髪の毛は約10万本生えているけれど、ウィッグにはどのくらいの髪の毛が必要なのですか?」
川﨑さん
「ウィッグにも10万本近い髪の毛を使い、できるだけ生えているような状態に近いウィッグに仕上げています。植える髪の長さによってはそれなりの重さになります」
ウィッグの作り方について、技術者ならではの視点でたくさんの専門的なお話を伺うことができました。
ウィッグ製作について語る川﨑さん
青色の矢印をタップして写真をスライドしてね!
参照
- 皆さまの髪がウィッグになるまで
- JHD&C公式YouTubeより・JHD&Cのウィッグ製作工程について
トークパート③ヘアロス当事者の想いについて
ここまで、ヘアドネーション側──寄付された髪の毛がどのようにウィッグに生まれ変わり、無償提供されているのかについてご紹介してきました。
一方で、実際にウィッグを着用して過ごしている方のお話を伺う機会は少ないのが現実です。そこで今回のイベントでは、JHD&Cと親交の深い毛髪疾患(ヘアロス)当事者団体の代表にご登壇いただき、リアルな当事者の想いをお話しいただくことができました。
ゲスト
ASPJについて
脱毛症、抜毛症、乏毛症、無毛症、治療による副作用など、様々な理由より髪に症状を持つ子どもたちとご家族のコミュニティ。
「ヘアロスがハンデにならない社会」を目指して、ヘアロス啓発イベント「Alopecia Stand Up!」をはじめ、全国交流会やオンラインおしゃべり会の開催、サポートブックの発行など当事者目線での活動を行っている。
2024年、ASPJ主催の「ヘアロスキッズ合宿2024」が【SDGs岩佐賞】を受賞。ヘアロスの子どもたちとその家族を支援する活動が、持続可能な社会の実現に貢献する取り組みとして高く評価された。2025年9月にも和歌山県で開催。
先天性縮毛症/乏毛症ネットワーク 冠花(かんな)の会
- 代表 杉山恵氏
冠花の会について
生まれつき毛髪が少ない、伸びない、縮れ毛などの症状を持つ先天性毛髪疾患(縮毛症/乏毛症)についての情報発信や、当事者・家族同士の交流・情報交換を目的とした会。
子供から大人まで、当事者・ご家族が直接お会いできる、全国各地での交流会を随時開催。
それぞれの人生において、必要な時に仲間と交流ができ、相談ができる、「心の拠り所」のような存在でありたいと願い活動している。

右 ASPJ 土屋さん、左 冠花の会 杉山さん
JHD&Cの無償提供ウィッグの希望者のうち、9割が女の子からのお申し込みです。またJHD&Cのウィッグ提供者の7割が脱毛症、残りおよそ3割が抜毛症や乏毛症、無毛症、外傷、抗がん剤等の副作用による脱毛というデータがあります。
頭髪に悩みを持つ方は男女問わずいらっしゃるのに、どうしてウィッグの希望者が女性に偏るのでしょうか。そんな渡辺の問いかけに、おふたりはこう答えてくださいました。
土屋さん
「私は抜毛症という症状で、小学1年生の時にテレビを見ながら自分で髪を抜いてしまい、それが習慣化してヘアロスになり、ウィッグをつけています。
渡辺さんのご指摘のように、女性には髪があるものだというイメージが世の中にあるのではないでしょうか。男性に比べて、髪がない女性の姿を目にすることは少ないですよね。そういった社会的な価値観があるため、お子さんに髪の毛がないことは親御さんにとっても大きな心配となり、ウィッグを必要と思われる方もいると思います」
杉山さん
「私は生まれつき乏毛症という髪型で、くるくるとした髪で少し薄いです。毛量は人によって差があり、薄い人もいればアフロヘアのように広がっている人もいて、ウィッグをつける人もつけない人もいるのが乏毛症の特徴かなと思います。
乏毛症には男の子も女の子もいますが、野球などスポーツをしていると、動きにくくて髪を剃ってしまう子もいますので、ウィッグを欲しがらない男の子も多いのかなと思います」
また「ウィッグをかぶる」という選択について、小さなお子さんはどう感じているのかについても尋ねてみました。
土屋さん
「私は活動を通じて1万人くらいのヘアロス当事者やご家族とお話をしてきました。
その中でよく聞くのが、『小さい頃、親がすごく悩んで泣いた』とか、『髪のない姿で産んでしまってごめんねって謝られた』とか…。小さい時に親が一生懸命に病院を探してくれたけど、逆にそれが申し訳なかったと感じているヘアロス当事者の方が、本当に多いんです。
髪がない状態で育ってきている子ども本人にとっては、髪がないことも普通なんですよね。だからすぐに『ウィッグが欲しい』と思うわけじゃない。
でも、周りの大人が『このままだといじめられるかも』と心配したり、『外でヒソヒソ言われたらどうしよう』って不安になったりする。そういう理由でウィッグをつけて生活させようとするケースは、少なくないと思っています」
杉山さん
「私は24歳までこのままの姿で生活していました。成人式でウィッグをかぶったのをきっかけに、髪型をチェンジしておしゃれを楽しむためにウィッグを使うようになりました。昔はウィッグは一般的ではなかったし、親の選択肢にもなかったんですが、ウィッグをかぶるとこんなに変われるということを大人になってから知って使うようになりました。
今はウィッグの存在が知られているので、隠すためではなく、髪のあるおしゃれを楽しみたいという気持ちからウィッグを使い始める子どもたちが増えているのかなとも思います」

実体験などをもとにヘアロスについて話す土屋さん(右)、杉山さん(中央)
JHD&Cでは、コロナ禍以前は、レシピエント(ウィッグを着用するお子さん)やご家族と対面して頭の採寸を行っていました。採寸は渡辺と採寸担当が行っていましたが、とても印象に残っている高校生のレシピエントさんがいらっしゃいました。
渡辺
「当時は全国のアデランス店舗の個室をお借りして個別に採寸していたのですが、すでにウィッグを使っている方はご自分のウィッグを着用して店舗に来られますので、採寸時にウィッグを取っていただくんですね。
ある高校生くらいの女の子が、同じようにそれまでつけていたウィッグを外した時、僕はウィッグがないそのままの姿の方がとても似合っていると感じて、ご本人にそうお伝えしました。
そうしたらご本人が『やっぱり、そう思いますか?』とおっしゃいました。それで僕とご本人とで話が弾んで、少し盛り上がったんです。
すると同伴されていた親御さんが『無責任なことを言わないで。娘の気持ちを考えてください』と気分を害されてしまったという出来事がありました。
また別の話では、採寸に来たある男の子はウィッグを申し込んだ理由を『ウィッグをつけるとお母さんが泣かないから』と答えました。
こういうことは時々あって、その度に僕は、いったい何のためにウィッグは必要なんだろうかと考えます。親御さんや保護者の方も、何とかしてあげたいと思ってウィッグや病院を探しているのに、ご本人とのこの温度差は何なんだろうかと。それで僕が感じたのは、親御さんの相談先がないんじゃないかということです」
土屋さん
「親御さんの行動も、お子さんへの愛情から来ているのだろうとは思います。
脱毛症にも一応の治療法はあるのですが、完治がまだ立証されていないんですね。がんに関する脱毛と違って、いくら通院しても治らない、一度生え揃ってもまた抜けることがあるんです。それに短い診察時間の中では医師への相談もなかなかできません。
私たちの独自調査によると、学校の先生たちは脱毛症について全くと言っていいほど知りません。髪がない子やウィッグを使っている子が学年に1人か2人いることは知っている、でもそれがどうしてなのかはご存知ないんです。そうすると、親御さんもお子さんも情報や相談場所がなくて孤立してしまう。
だから、私たちのような当事者団体がお力になりたくて活動しています。脱毛の症状についての説明や、どんな時にどうサポートすればいいのかをまとめた『サポートハンドブック』を作成して、親御さんや学校関係者に向けてお渡ししています。一番困るのは修学旅行や運動会、プールの時で、そのために進学のタイミングでウィッグを必要とする方が多いのではないでしょうか」
サポートハンドブックを手に語るお二人
参加者からはこんな質問も。
「身近に脱毛されている方がいたのですが、どう接すればいいのか分かりませんでした。またその方はウィッグの存在をご存知なく、どのようにしてお伝えしたらいいのか分かりませんでした。そのあたりについて当事者の方はどう思っているのでしょうか?」
土屋さん
「私もそうだったのですが、脱毛当事者は『こんな状態になっているのは私しかいない』と思っているんですね。ウィッグをつけていると、はた目には脱毛していることがわからなくなります。
ましてや、脱毛にはいろんな症状がありますから、別の病気かもしれないと思うと当事者同士で繋がるのは難しくなり、私1人だけがヘアロスで悩んでいるのかもしれないと思っている方が多いんです。
そんな時に髪の毛がある人からウィッグのことを伝えられても、ちょっと受け止めにくいんですね。『そんなの知ってるよ』と思っちゃう。
そういう時には、私たちのような当事者団体をうまく使ってほしいと思います。この間イベントに行ってこんなチラシをもらったんだよねって、できるだけフラットにお伝えいただくと良いのかなと思っています」
渡辺
「ちなみにJHD&Cにも同じようにお問い合わせいただくことがあるのですが、幼少期から同じような症状を持ち、大人になって前向きに過ごされている方々の団体がありますので、よろしければお問い合わせしてみてください、とお伝えするようにしています」
トークの締めくくりに、おふたりからメッセージをいただきました。
土屋さん
「“ハゲ”という言葉、今でも笑いのネタやからかい、蔑みの意味で使われることがありますよね。
学校などでも耳にする機会があると思います。でも、私はそれは立派な差別用語だと考えています。
このイベントをきっかけに、『その言葉は本当に使っていいのかな?』と、少し立ち止まって考えてもらえたら嬉しいです。
また、全国の自治体では、抗がん剤の副作用で脱毛された方に向けてウィッグ助成制度がありますが、私たちのような脱毛症の当事者への助成はまだあまりありません。そこで現在、助成制度の実現を目指して署名活動を行っています。
活動に対してもご寄付という形で応援してくださる方がいらっしゃいましたら、お気持ちを寄せていただけると嬉しいです。」
杉山さん
「髪の毛がない人は、かわいそうな存在でも特別な存在でもなく、みんな一緒だよということを理解していただけたらと思います。今日は皆さんも実際にウィッグを体験してみて、いろんなカラーやヘアスタイルのウィッグがあると感じたと思うんです。
ウィッグには、日ごろできない髪型に一瞬でなれる楽しさがあります。当事者として一番辛いのは、隠さなきゃいけないからウィッグをかぶるという心境になることです。そうではなく、私はこの髪型がいいから、楽しみたいからウィッグをかぶるんだと、堂々と生きられる社会になればいいなと思います。
ウィッグは髪がある方にもすごく楽しめるものなので、ウィッグはおしゃれのアイテムだという価値観が広がったら嬉しいです」

「ご本人や親御さんの相談場所になれたら」(土屋さん)
「ウィッグは髪のあるおしゃれを楽しめるもの」(杉山さん)
貴重なお話をお聞かせくださったおふたりに、会場からあたたかい拍手が送られました。
ウィッグ試着を終えての感想・よくある質問
ここまで約1時間、試着体験に参加してくださった方に感想をお伺いしてみました。
- 「楽しかった。すごいと思った」
- 「暑かったけれど、いろんな色のウィッグがあって楽しかった」
- 「ずっとつけていると、ずれたりするのが気になった。でもいろんなウィッグがあって楽しかった」
- 「ウィッグをつけていても違和感があまりなかった」
ウィッグが自分に似合うかどうか、つけていて楽しいかどうか。
皆さんのご感想には、そんな実感が込められていたようでした。
ここで、よくいただくご質問にもお答えしましたのでご紹介します。
- 1つのウィッグには、少なくとも50人分のヘアドネーションが必要。
ロングヘアのウィッグを作るためには100人分のヘアドネーションが必要となる。 - 1人分のヘアドネーションで1つのウィッグを作ることはできない。
1人の毛束には髪の毛の成長周期(毛周期)によって長い毛、短い毛が混在しており、毛先に行くにつれて先細っているため、毛束の全てがウィッグとして役立てられる長さを超えているわけではない。 - JHD&Cの場合、トリートメント処理など、ウィッグを作るための下準備を含めると、1つのウィッグを作るのに30万円程度必要。
皆さんのご協力でJHD&Cのウィッグ無償提供活動が継続できていることを、改めてお伝えする機会となりました。
協力各社パネル展示
休憩をはさんで、イベント後半スタートです。
はじめにお伝えしたように今回のJHD&Cの出前授業は、日頃から活動をサポートしてくださっている企業の協力で実現することができました。
JHD&Cと長いお付き合いのある企業が、そのつながりについて紹介するパネルを作成し、皆さんにお伝えする機会となりました。
ここで、各社のパネルとブース内容を一挙にご紹介します!
株式会社アデランス
トークパートにも登壇してくださった川﨑さんによる、ウィッグの毛植えのデモンストレーション。
国内で毛植えができる技術者は非常に少なく、なかなか目にする機会のない貴重なデモンストレーションに多くの参加者が見入っていました。
また、希望者はウィッグの毛植え体験もできました。
株式会社アデランス
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花王株式会社
31cmに満たない髪の毛の活用法として「評価毛」をご紹介。
ヘアドネーションのうちウィッグとして役立てられるのは31cm以上の髪の毛ですが、31cmに満たない髪の毛の一部は、ヘアケア製品の開発に不可欠な「評価毛」として役立てることができます。
年に数回、花王の研究員さんが事務局に訪れ、仕分けボランティアをしながら短い髪の毛を選別して買い取り、研究に役立てています。
また、顕微鏡を使って参加者自身の髪の毛を見る体験もできました。
花王株式会社
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株式会社資生堂 ビューティークリエイションセンター
JHD&Cと資生堂、アデランスが共同開発した人工毛の医療用ウィッグ「wig+(ウィッグプラス)」をご紹介。
リーズナブルに、おしゃれなヘアスタイルアレンジの実現を目指した「wig+」を使ってウィッグのヘアアレンジ体験もできました。
株式会社資生堂 ビューティークリエイションセンター
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株式会社ミルボン
ロビーでは、今回会場を提供したミルボンとJHD&Cの取り組みを紹介するパネルを展示。
美容室専売品のヘアケア製品を多数製作し、美容師さんとの距離が近いミルボンは、JHD&C活動初期からヘアドネーションの仕分けボランティアに来てくださっています。
株式会社ミルボン
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前半のトークゲストであるASPJ&冠花の会の展示スペースも!
トークパートで登壇してくださった土屋さん、杉山さんもブースに立って、参加者とお話ししたり質問に答えたりしていました。オリジナルの絵本やパンフレットの展示コーナーもありました。
ASPJ&冠花の会
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JHD&Cブース展示
JHD&Cの活動を紹介するブースは3つご用意しました。
ヘアドネーション仕分け体験
日本だけでなく世界中からJHD&Cに寄せられるヘアドネーションは、年間10万件以上。
イベントでは、いつも事務局で行っているヘアドネーションの仕分けを体験できました。
袋からドネーションヘアを取り出し、メジャーを使って長さを計測。サイズ別に決められたボックスに入れて仕分け完了です。多くの方が体験に参加してくださいました。ご自身の髪の毛を持参し、直接仕分けボックスに入れる参加者もいらっしゃいました。
JHD&Cの仕分け体験ブース。たくさんの方が楽しんで仕分けを体験しました
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無償提供ウィッグ「Onewig」展示
アデランスが製作を担ってくださっているJHD&Cの無償提供ウィッグ「Onewig」と、トリートメント処理が施された「処理毛」を展示。
ヘアドネーションから生まれ変わったウィッグは、18歳以下の子どもたちに無償で提供されています。


ヘアドネーションだけで作られたJHD&Cの無償提供ウィッグ「Onewig」と、トリートメント処理毛
チャリティファンディングブース
返礼品付き寄付「チャリティファンディング」コーナーでは、様々な返礼品を展示。
会場で募金にご協力いただくとその場で返礼品をお渡しできたため、たくさんの方が手に取ってご覧くださいました。
出版社KuLaScip(クラシップ)のご協力で、JHD&C初監修書籍「31cm」限定版の特別販売も行いました。
ウィッグ提供活動をサポートできる返礼品付き募金「チャリティファンディング」の返礼品が一堂に揃いました
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限りある時間の中で、皆さんが思い思いに気になるブースを巡り、譲り合って参加されている姿が印象的でした。
終わりに
無事にすべてのプログラムを終えることができ、最後に代表の渡辺がこう締めくくりました。
「ヘアドネーションをして、ウィッグをお子さんが受け取ったら笑顔になる………そんな単純なことではないんだよ、ということ。そしてヘアドネーションの一連の流れ、ウィッグを作ることや使うことをよりリアルに理解していただけたなら、今回の出前授業は成功なのかなと思っています」
あたたかな拍手に包まれ、盛況のうちに終えることができた今回の出前授業。
JHD&Cのヘアドネーション活動は多くの方の支えで続けられていると、私たちスタッフも改めて実感することができた1日となりました。
ご参加くださった皆さま、ご協力くださったすべての方に心から感謝申し上げます。
ありがとうございました!
皆さまと渡辺とで集合写真。ご参加ありがとうございました!
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参加者の感想(アンケートより一部抜粋)
- ヘアドネーションすることは良いことかどうか、という代表の方のお話が印象に残りました。
- 多様性の中で、髪がなくても堂々としていられる社会になったらいいなと思いつつも、症状のある方が少しでも楽しめるように、JHD&Cの活動に参加したいと改めて思いました。
- 協力企業のブースも興味深く、楽しいイベントでした。
- 親の気持ち、本人の気持ち、自由について。とても考えさせられました。
- ネットや本だけではわからないリアルな情報を知ることができてよかったです。
- 息子たちの意思で髪を伸ばしていますが、周りからは「男の子なのに」「女の子かと思った」と言われることが多いです。もっと自由になったらいいなと思いました。
- 自分の意思で、明るくウィッグを活用できるといいなと思いました。
- ウィッグは隠すためだけではなく、おしゃれを楽しめるものという考え方がとても素敵でした。
- 対面イベントならではの理解を得ることができました。
- 髪の毛を送るだけでなく、その先のことを詳しく知ることができました。
- 困っている人を「当たり前」に助けるという言葉が印象的でした。
- 美容師として10年以上ヘアドネーションに関わらせていただいていて、初めて聞くお話がたくさんあり、とても勉強になりました。
- ウィッグを作るのはとても時間がかかって難しく、職人さんはすごいと思いました。
- 自分の送った髪の毛がどのような工程を経てウィッグになっていくのか、実際にお話をお伺いできてとてもよかったです。
- 「かわいそう」「良いことをした」そんな簡単な考えではなくもっと深い話でした。自分の周りの人たちにも少しでも話をし、もっと共感できる人を増やせたらと思います。
- 考え方を変える良い経験になりました。
- 髪があることは当たり前ではないと改めて感じました。
- お子さんたちみたいにピュアな気持ちでウィッグを楽しんでいける時代になるといいなと思いました。
- 他の地域や美容師向けにも、こういった勉強会があるといいと思いました。
- 髪の毛の仕分けを手作業でされているのには驚きました。
- 本人の心の尊重を基本とし、多様な外見があり、必要ならサポートのある社会で、これからも発展していくといいなと思いました。
開催データ
JHD&C出前授業 in 東京2025 ~ヘアドネーションとウィッグを知ろう~
- 日時:2025年8月23日(土)午前の部(10~12時)、午後の部(13~15時)
- 会場:株式会社ミルボン 東京本社(東京都中央区)
来場者数:合計:145名
- 午前の部:70名
- 午後の部:75名
- 午前の部:回答者数67名、回答率95.7%
- 午後の部:回答者数73名、回答率97.3%
(各回定員80名)
*以下、アンケートをもとに算出
年齢層
- 午前の部 大人37名、中~大学生2名、小学生以下28名
- 午後の部 大人42名、中~大学生5名、小学生以下26名
ヘアドネーション認知者数
(「ヘアドネーションを知っている」と回答)
- 午前の部 65名(97%)
- 午後の部 70名(95.8%)
ヘアドネーション経験者数
(「ヘアドネーションをしたことがある(現在伸ばしている)」と回答)
- 午前の部 45名(67.1%)
- 午後の部 47名(64.3%)
出演
- NPO法人ASPJ(Alopecia Style Project Japan アルペシア スタイル プロジェクト ジャパン)
代表 土屋光子氏 - 先天性縮毛症/乏毛症ネットワーク 冠花(かんな)の会
代表 杉山恵氏
協力
- 株式会社アデランス
- 花王株式会社
- 株式会社資生堂 ビューティークリエイションセンター
- 株式会社ミルボン
主催
- NPO法人 Japan Hair Donation & Charity(JHD&C/ジャーダック)
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